【孤独死の原因と対策】若者にも知ってほしい事実

現在、社会問題となっている孤独死。

孤独死は、性別や既婚・未婚関係なく誰にでも起こる可能性があるものです。

 

しかし、「孤独死は高齢者の問題」と考えている方も多いのではないでしょうか?

確かに、ニュースなどで報道される孤独死は、50代以降が大半です。

でも、条件が重なれば20代、30代の「若者」と呼ばれる世代でも孤独死する危険があります。

 

この記事では、若年層が孤独死する理由や、対策方法を紹介します。

 

中高年だけでない若者の孤独死

はじめに、30代までの若者が孤独死した事例や、その原因の代表例を紹介します。

どのような条件が重なったとき、孤独死が起こりやすくなるのでしょうか?

 

 芸能人の孤独死例

芸能人というと、華やかで常に注目を集めている存在というイメージがあります。

しかし、実際は若くして孤独死をしてしまった例もあります。

 

以下は、30代~40代で死後時間がたってから発見された芸能人の一例です。

孤独死の例

・飯島愛さん(享年36歳、死因は肺炎)
・川越美和さん(享年35歳、死因は心不全)
・村田渚さん(享年35歳、死因はくも膜下出血)

 

3人とも年齢はまだ30代半ばであり、社会の第一線でバリバリ働いている年齢です。

持病があったり闘病中だったりしたわけでもありません。

 

飯島愛さんは孤独死をしていたことが大きく報道されたので、印象に残っている方もいるでしょう。

なお、孤独死の中に自殺は含まれません。すべて、病死や死因不明です。

 

 不摂生や孤独が孤独死を招く

前項でご紹介した若くして孤独死をしてしまった芸能人には、いくつかの共通点があります。

・独身である
・家族とはこまめに連絡をとっていない
・会社員のように定時に出社、帰宅するような仕事ではない

 

飯島愛さんと川越美和さんは、亡くなる数年前に芸能界を引退していました。

飯島愛さんの生育歴は複雑で、家族と疎遠でした。川越美和さんも死語の報道で家族とは縁が切れた状態だったと言われています。村田渚さんも、まだコンスタントに仕事があるわけではなかったようです。

 

また、3人とも独身で1人暮らしでした。

村田渚さんはマンションの管理人と仕事仲間によって死後38時間で発見されましたが、飯島愛さんや川越美和さんは、死後何日も発見されていません。

 

つまり、家族とも社会とも疎遠になってしまうと、孤独死をしてしまうリスクが一気に上がるということです。

 

現在の日本では、親元を離れて1人暮らしをしている若者がたくさんいます。

中には、家族とは理由があって疎遠になっている方もいるでしょう。

 

仕事も、正社員とは限りません。アルバイトや派遣など、不安定で流動的な仕事についている人もたくさんいます。

急にやめても誰にも気にされず、親しく付き合う人もいないというケースも珍しくありません。

そのような方が不意の病気や怪我で動けなくなってしまっても、誰に助けを求めていいか分からずに、孤独死するまで発見されないケースが増えています

 

また、現在はコンビニやスーパーなどで、そこそこ美味しくお腹もいっぱいになり、すぐに食べられる食物が手に入ります。

しかし、お弁当や外食は栄養バランスが偏りがちで、それだけを食べ続けると、肥満や高血圧といった生活習慣病を発症しやすくなるでしょう。

 

このほか、仕事を辞めて経済的に困窮し、食事を極限まで切り詰めた結果健康を害してしまうケースもあります。

このように、孤独や不摂生が若者が孤独死する原因となっているのです。

 

1人暮らしをしていても、すぐに連絡を取れ、助けを求められる人がいれば孤独死する可能性はぐっと低くなります。

若者の孤独死は、人々が孤立化し、横の繋がりが希薄になっている証拠でもあります。

 

 周知されてきた若者の孤独死問題

「孤独死」という言葉が作られたのは、1970年代後半のことです。

1995年に阪神淡路大震災が発生し、被災者の孤独死が相次いだことで世間が注目するようになりました。

 

欧米には未だに「孤独死」という概念が無く、日本の孤独死問題を伝える時はそのまま「KODOKUSI」と表記しています。

日本は元々血族間の結びつきが強く、親族の間で高齢者や独居者、さらに生活困窮者の面倒を見てきた歴史があります。

しかし、震災が起きたために親族や親しい人達が同じ地域に住み続けることができず、高齢者が孤立することで孤独死が増加したと考えられています。

 

2000年代になると少子高齢化がすすみ、生涯独身で過ごす人も珍しくなくなりました。その結果、孤独死も増加してきたのです。

しかし、2000年代はまだ「孤独死=高齢者の問題」というイメージが強く、サポートも高齢者に限られていました。

 

2010年代に入ると非正規雇用者が全雇用者の30%を超え、若く健康な男性であっても不安定な職に就く人が珍しくなくなります。

なお、女性の非正規雇用者は2000年代からずっと高止まりし続けていました。

そのため、2000年代前半にまず30代非正規雇用者の孤独死が問題視されはじめ、2010年代~は若年男性の孤独死もクローズアップされるようになったのです。

 

さらに、2020年初頭から始まったコロナ禍により、若者の孤独死問題は深刻さを増しています。

コロナにはかかっていなくても、雇い止めなどにあって失業し、心身共に追い詰められてセルフネグレクト状態になって孤独死してしまうケースも増加中です。

 

 シェアハウスで孤独死を防げる?

孤独死は、文字どおり孤独と不摂生が大きな原因であるとお分かりいただけたと思います。

孤独死を防ぐためには、家族でも友人でも誰かと常に連絡が取れるような状態にあることが最も有効な方法です。

 

しかし、事情があって家族と疎遠になっていたり友人がいなかったりする人もいます。

そんな方が孤独死を防ぐための一つの方法が、シェアハウスの利用です

ここでは、シェアハウスが孤独死を防ぐ理由を解説します。

 

 コミュニケーションが取りやすい

シェアハウスとは、水回りやリビングなど生活空間の一部を住人全員が共有している賃貸住宅の形です。

昭和40年代まで主流だった、トイレや水回り共同のアパートや大家さんの家を間借りする形の下宿に近いといえば、イメージしやすいでしょう。

 

シェアハウスは、個室と共同スペースがあるので、同じ物件に暮らしている人とコミュニケーションが取りやすくなっています

一般的なマンションやアパートでは、隣にどんな人が住んでいるか全く分からないことも珍しくありません。

しかし、シェアハウスならば自然と顔を合わせる機会が多くなり、挨拶だけであっても一緒に住んでいる人とコミュニケーションを取りやすくなっています。

 

 常に人の目がある

脳出血や心筋梗塞など一瞬で死にいたることも多い病気を除けば、孤独死はゆっくりと体が衰弱して亡くなっていくケースがほとんどです。

つまり、早期に発見して医療機関に繋げることができれば、孤独死を防ぐことができるでしょう。

 

シェアハウスは、水回りやリビングが共有という造りですから小規模な物件がほとんどです。

ですから、一緒に住んでいる人が半日以上顔を見せないと、すぐに分かります

生活時間帯がずれているなどの理由があれば別ですが、姿が見えなければ様子を見に来る人もいるでしょう。

 

それが、孤独死の防止になります。

姿が見えないだけでなく、様子がおかしいときに声もかけてもらえます。

 

シェアして節約する生活スタイル

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シェアハウスに住むという選択肢があります。

節約できるだけでなく、孤独からも解放されます。

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孤独死を避けるためのアイデアがある一方で、もし孤独死するとその後始末に多額の費用がかかることもあるということも覚えておく必要があります。

それで次に、孤独死をすると後始末に多額の費用がかかる理由や相場などについて解説します。

 

孤独死にお金がかかる理由

はじめに、孤独死をするとなぜ後始末に多額の費用がかかるのか、その理由について解説します。

発見されるまで時間がかかった、賃貸物件だったなどの条件が重なると高額になる傾向があります。

 

清掃に費用がかかる

孤独死をすると、遺体が発見されるまでに時間がかかることもあります。

「1人暮らし」「友人や家族と疎遠で近所づきあいもない」「無職」といった条件が重なると、姿が見えなくなっても、誰にも気にされません。

臭いやハエの異常発生で孤独死していることが発見されることもあります。

 

時間が経過した遺体は腐敗がすすみ、酷い状態になります。

警察は遺体を運び出してくれますが、遺体由来の汚れはそのままです。

 

これをキレイにするためには専門業者による清掃が必要です。

遺体があった場所によっては、大幅なリフォームをしないと臭いや汚れが取れないこともあります。

その費用は普通のハウスクリーニングの数倍はかかるでしょう。

 

原状回復の費用もかかる

賃貸物件で孤独死した場合、原状回復を求められるケースもあります。

原状回復とは、「入居者が故意に汚したり壊したりした場所を、借主の負担で修繕して賃貸したときの状態に戻して退去すること」です。

 

孤独死は「故意」ではありませんが、借主の努力で防げることとみなされています

ですから、クリーニング費用やリフォーム費用は故人の親族や連帯保証人が負担します。

発見されたときの遺体の状況によっては、費用が多額になるでしょう。

 

損害賠償が請求される可能性もある

賃貸物件で孤独死が起きると、再度賃貸に出す際に「心理的瑕疵あり」と表記しなければなりません。

つまり、「ここで人が亡くなりました」と告知する義務があります。

 

いくらキレイにハウスクリーニングやリフォームをしても、借り手がつきにくいでしょう。

「家賃を大幅に値引きしてようやく借り手がついた」という例も珍しくありません。

 

「心理的瑕疵あり」の表記は、一度別の借り手がついたら表記する義務がなくなります。

しかし、「孤独死の現場になった」という事実は消えません。建物の価値全体が下がることもあるでしょう。

 

そのため、物件のオーナーが家賃保証や損害賠償を求めて遺族を相手取って裁判を起こすケースもあります。

病気が原因の「孤独死」の場合は、損害賠償を請求しても認められるケースは少ないのですが、入居者が自殺した場合は、損害賠償が認められたケースもあります。

孤独死の場合、自殺か病気か曖昧な事例もあるので、訴えられる可能性もあるでしょう。

 

孤独死の後始末にかかる費用相場

では、孤独死の後始末にかかる費用はどのくらいが相場なのでしょうか?

ここでは、孤独死した現場の清掃やリフォームの費用相場について解説します。

 

特殊清掃料金

特殊清掃とは、孤独死が起こった現場を専用の薬剤や消臭剤を用いて清掃作業をすることです。

時間がたって発見された遺体損傷が激しく細菌や害虫なども発生しています。

そのため、ハウスクリーニング料だけでなく、車両費用や廃棄物の回収・処分費用なども合算されて請求されるのが一般的です。

 

特殊清掃の費用は部屋の広さと汚染の状態によって異なり、1R~1kの場合は30,000円~80,000円が相場です。

なお、家が広くなるほど費用は高額になり、ファミリータイプの3LDKの場合は170,000円~500,000円が相場です。

なお、家の中がゴミ屋敷状態だった場合や、家具家電を一式廃棄してほしいという場合は、不用品回収料が上乗せされます。

なお、死後比較的すぐに発見された場合も大家さんや管理会社の要望で特殊清掃を行うケースもあります。

※ 料金相場参考:https://m-ihinseiri.jp/article-service/tokushuseisou/

 

原状回復の料金

フローリングや畳に遺体由来の汚染物質が染みこんでいたり壁紙に汚染物質が飛び散っていたりした場合は、すべて張り替えや交換が必要です。

また、トイレやお風呂も孤独死の現場になりやすく、汚れが酷い場合は交換します。

 

このほか、虫が大発生していれば害虫駆除、臭いが酷ければ徹底した消毒が必要です。

原状回復の料金は日本少額短期保険協会が発表した第5回孤独死現状レポート」によると、平均して38万1122円です。

 

なお、協会が調べた限りの最高額は4,158,000円となっています。

特殊清掃と併せれば100万円を超えることも珍しくありません。

※参考 :「第5回孤独死現状レポート」
https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/report.pdf

 

その他

賃貸物件で孤独死をした場合、退去するまでに家賃を払い続けなければなりません。

たとえば、原状回復まで2か月かかる場合は2か月分の家賃が必要です。

 

また、故人が家をゴミ屋敷状態にした場合は、ゴミの撤去費用なども必要になります。

このほか、ペットなどの生体が残されていた場合、保護団体に預かってもらうにも費用がかかるでしょう。

持ち家で以後誰も住まないという場合は、解体費用を払って家を解体する必要も出てきます。

 

日本では葬儀の費用が高すぎるといわれていますが、孤独死をした場合葬儀を行うより高額な費用が後始末にかかります

また、賃貸物件の場合は大家さんや管理会社に多大な迷惑がかかります

持ち家でも、住宅密集地の場合は近所から苦情が来ることもあるでしょう

 

孤独死をすると、遺族は悲しむ暇もありません。

ひとり暮らしだったり家族と疎遠だったりする人は、誰でも孤独死する可能性があります。

 

仕事をしていない、アルバイトや派遣で急に出金しなくても誰も心配しないというケースは、さらに孤独死の危険性を高めます。

年齢や性別関係なく、できる限りの対策を取っておくことが大切です。

 

若くても孤独死する可能性はある?

「孤独死」は高齢者の問題というイメージが強く、20代~30代の若年層の関心が薄いのも現状です。

しかし、孤独死は年齢・性別にかかわらず、条件が重なれば誰にでも起こります

 

ここから先では、孤独死を防ぐために自分でできる対策方法を紹介します

20代~30代でも孤独死する危険性はあります。

ひとり暮らしの方や家族と疎遠気味という方は、ぜひ読んで参考にしてみてください。

 

現役世代が孤独死した割合は40%

一般社団法人日本少額短期保険協会、孤独死対策委員会が発表した「第5回孤独死現状レポート」によると、2015年~2020年に孤独死した人は、男性が3,698人、女性が750人、平均年齢は61.6歳でした

孤独死する人は高齢者というイメージがありますが、調査結果を見ると「高齢者」というには若い年代も多く孤独死していることが分かります。

 

また、20代~50代のいわゆる「現役世代」が孤独死した人に占める割合は40%と高めです。

 

孤独死対策委員会における孤独死の定義は、「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」であり、死因は問いません。

ですから、自殺した方も含まれています。

 

20代、30代で孤独死した方の中には自殺者が多いですが、全ての死因が「自殺」ではありません。病死や事故死も含まれます。

ですから、孤独死は全ての年代で起こりうると考えていいでしょう。

 

では、なぜ孤独死は起こるのか以下に主な理由を解説していきます。

参考・引用:第5回孤独死現状レポート

 

孤独が寿命を縮める可能性がある

孤独死をする方のほとんどがひとり暮らしをしています。しかし、ひとり暮らしの方が全員孤独死するわけではありません。

家族や友人とまめに連絡を取り、定職についている方はひとり暮らしでも、孤独死をする可能性は低くなっています

 

孤独死をする可能性が高い人はひとり暮らしであるだけでなく、社会的に孤立しているケースが多いのです。

「定職に就いていない」「家族と疎遠」「友人も少ない」方は、病気やケガをしても助けを求める先がありません。

経済的に困窮していれば病院にかかることも躊躇してしまうこともあります。

また、心筋梗塞や脳溢血など発症して即亡くなってしまう病気にかかり助けを求める暇もなく亡くなってしまっても、社会と繫がっている方ならばすぐに発見されるでしょう。

 

しかし、社会的に孤立している方が孤独死をすると、長期間発見されないことも珍しくありません。

それに加えて、孤独は人を弱らせます。

落ち込んだときや悲しい時に寄り添ってくれる人がいないと、悲観的になって最悪な結果を選んでしまうこともあるのです。

ですから、ひとり暮らしをしていて社会的に孤立していると、孤独死する可能性が高まります。

 

タレントの飯島愛さんや川越美和さんなど、30代で孤独死して世間の注目を集めた方は、いずれも仕事が不規則でひとり暮らしをしており、家族とも疎遠でした

つまり、社会的に孤立していたのです。

 

このほか、最近増えているのが高齢の親と引きこもりの子どもが相次いで孤独死をする事例です。

「8050問題」といわれるように、長期引きこもりをした人の高齢化が進んでいます。

長年引きこもって社会と隔絶していれば、親の介護などもできませんし、社会復帰も難しいでしょう。

 

また、親子一緒に社会と隔絶しているケースもあります。

まず親が高齢でなくなり、残された子が後を追うように亡くなることも珍しくありません。

また、介護を理由に退職し、無職で親の介護を続けてきた子どもが親がなくなった後に社会復帰ができずに孤独死する例もあります。

 

不摂生が孤独死を招く可能性がある

ひとり暮らしで社会的に孤立していると、生活が荒れてしまいがちです。

たとえば、3度の食事をコンビニ弁当や菓子パン、お酒のおつまみだけで済ませる人も珍しくありません

70代以降の高齢者の場合、孤独死するのは男性が圧倒的に多いのですが、その中には妻に先立たれて、食生活が乱れた方もいたでしょう。

 

また、孤独を紛らわすために過ぎた飲酒をする方もいます。

アルコール依存症になった結果、家族から見捨てられて疎遠になってしまい、最終的に孤独死する方も少なくありません。

 

このほか、ひとり暮らしで社会から孤立し生きる張り合いがなくなると「セルフネグレクト」状態に陥ることもあるでしょう。

セルフネグレクトとは、生活環境や栄養状態が悪化しているのに、本人がそれを改善しようとしない状態です。

孤独死の引き金になるとして、近年注目を集めています。

セルフネグレクトになると、たとえ行政や近隣の住民が支援を申し出ても断ってしまうことも珍しくありません。

 

セルフネグレクトになる原因はさまざまですが、その一つに病気があります。

うつ病や統合失調症といった精神病や糖尿病など生活習慣病になると、日常生活に支障が出るようになります。

この時点で病院を受診し、治療を受ければ回復する可能性もあるでしょう。

 

しかし、病院に行く気力がないケースや社会的な繋がりを拒むケースもあります。

特に、うつ病が重症化した場合、会話することすらできなくなるので、手を差し伸べられてもそれを掴むことができません。

その結果、病気が悪化して孤独死する可能性もあります。

 

20代、30代の若い年代も仕事や離婚などのストレスからうつ病を発症、セルフネグレクトに陥り孤独死してしまうこともあるでしょう。

むしろ、若い年代であるほど自分の健康状態を過信し、無茶をした結果健康を害することもあります。

 

孤独死のデメリット

孤独死にはさまざまなデメリットがあります。一例をあげてみましょう。

デメリット

1. 警察に遺族が疑われる:孤独死は不審死に分類されるため、死因を確かめられることがある

2. 遺体の損傷が激しく尊厳を奪われる:時間がたって発見されるほど遺体の状態は悪くなる

3. 特殊清掃や原状回復に多額の費用がかかる:場合によってはフルリフォームが必要

4. オーナーから損害賠償が請求される可能性がある:自殺の場合は裁判で損害賠償の支払いを命じられた例もある。

5. 土地や家の価値が下がる:人が不審死した場所、土地は「心理的瑕疵物件」になる。家だけでなく土地の価格にも影響が出る可能性もある。

6. プライバシーも暴かれる:遺品の片付けを遺族がやるため、見られたくないものまで全部見られてしまう。

特に、経済的な損失は深刻です。

特殊清掃費用・リフォーム費用・原状回復の費用など、併せて数百万円の支払いが生じることもあります。これがすべて遺族の負担となるのです。

 

また、損害賠償も請求された場合は数百万円~1千万円と高額になる可能性があります。

竹書房から発売されている「自殺遺族になっちゃった」という書籍は、家族が室内で孤独死(自殺)したせいで、管理会社から1千万円の損害賠償を請求され、裁判で戦った過程が丁寧に描かれています。

興味がある方は読んでみてください。

参考:自殺遺族になっちゃった

 

孤独死を自分で予防する方法

日本では、長い間家族を中心とした血縁者のコミュニティや、近隣住民同士の善意の助け合いが独居高齢者をはじめとする社会的弱者のセーフティーネットになっていました

高齢者は子どもに引き取られ、20代~30代の人は結婚することで孤立化を防ぎ、相互扶助をしていたのです。

地方から東京・大阪などの都市に上京してきた人も、帰る実家があったり頼れる親戚がいたりするケースが大半でした。

 

しかし、現在はお互いの家を行き来するような濃密な親戚づきあいをすることは少なくなりました。

自分の親の兄弟がどんな人か知らないというケースもあります。

高齢者と子どもが同居する世帯も減少し続ける一方、生涯未婚率は上がる一方です。

つまり、孤独死する危険性も年々高まっています。

 

そのため国や自治体も孤独死の防止に力を入れ出しました。

民間でもその動きは出てきていて、中でも孤独死の現場をミニチュアで再現し、孤独死の悲惨さと予防の大切さの啓蒙活動を行っている「小島 美羽」さんは有名です。

彼女は活動状況を自身のTwitter(@E90Bn9fL1foVLn6)で発信されているので、興味がある方はチェックしてみましょう。

 

また、自分で実践できる孤独死の予防方法もあります。

以下に今すぐ実践できる孤独死の予防方法を紹介しましょう。

ぜひ、参考にしてください。

 

孤立しないようにコミュニケーションを取る

人はいつ、どのような事態に陥るか分かりません。

ある日突然ケガや病気をすることもあるでしょう。また、失業から経済的な困窮に陥ることもあります。

一人暮らしで家族とも疎遠、友人もいない場合は、たよれるセーフティーネットがほとんどない状態です。

孤独死を防ぐためには、いざというときに頼れる場所や人を作っておくことが大切です。

 

「他人に迷惑はかけられない」と思う人もいるかもしれません。

しかし、相談に乗ってもらうだけでも孤独死を未然に防ぐことができます。

家族とは連絡を取りなくない、もしくは家族がいないという方は、シェアハウスなど住人同士のコミュニケーションが取りやすい物件に引っ越すという方法もあります。

高齢者の場合は、介護付ケアハウスやマンションなどを住居に選んでもいいでしょう。

 

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また、SNSで社会と繫がっている場合は、自治体のアカウントをフォローするなどして、要支援な状態になった時、どのような支援が受けられるか確認しておくのもおすすめです。

自治体にはさまざまな福祉制度がありますが、行政から手を差し伸べてくれるケースはまれです。自分で申請しなければなりません。

体が動けなくなったから調べようとしても手遅れになるので、元気なうちに調べておきましょう。

これもまた、コミュニケーションの一種です。

 

このほか、20代、30代の方は失業した際に相談できるNPO法人を調べておくと役立ちます

NPO法人の中には、行政と要支援者の橋渡しをしてくれるところもあります。

もし、時間と気持ちに余裕があるなら、趣味のサークルなどに参加してみてもいいでしょう。

 

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健康的な生活を心がける

ひとり暮らしで友達と食事に行くこともないという方は、生活が乱れがちです。

食生活はもちろんのこと、入浴や掃除といった体と住居を清潔にすることも怠りがちになるかもしれません。

また、前述したように孤独死をする方はアルコール依存症を発症した例も多いのです。

 

1人で長い間生きていく可能性が高い場合は、健康的な生活を心がけましょう。

起床時間と就寝時間を決め、暴飲暴食やアルコールで寂しさを紛らわせようとしないことが大切です。

20代、30代の若い世代でも過度な暴飲暴食・飲酒・寝不足は脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の危険性を高めます

特に、寝不足はうつ病など精神病の引き金になることもあるでしょう。

 

このほか、健康診断を定期的に受け、健康相談ができるかかりつけ医を持っておくことが大切です。

具合が悪くなったらすぐに受診できる病院があることは重要です。

経済的に余裕があるならば、通院・入院に保険金が下りる保険に入っておくと心強いでしょう。

 

孤独死を予防するために利用できるサービス

孤独死をする方が増加したことにより、国や自治体も真剣に対策に取り組みはじめました。

自治体では、孤独死する可能性が高い高齢者の単身世帯の場所と数を把握し、職員が定期的に訪問する。

孤独死を啓蒙するパンフレットなどを作成。

高齢者が集まれる場所の作成などが孤独死対策として行われています。

 

これらは、無料、もしくは低料金で利用できますが、「高齢者」であることが利用条件です。

ですから、20代~50代の現役世代は使えない自治体が大半です。

20代・30代の若い世代は民間の見守りサービスを利用して孤独死を予防しましょう。

以下に、孤独死を予防するために利用できる民間のサービスを紹介します。

 

スマホの見守りアプリ

見守りアプリとは、スマートフォンやタブレットにインストールするだけで使える見守り防止システムです。

現在は、ほとんどの方がスマートフォンを持っていますので、最も利用しやすい孤独死対策といえます。見守りアプリの仕組みは主に以下のようなものです。

スマホの見守りアプリ

1. 特定の動作を行わないと登録したアドレスに連絡が行く

2. 使用者に異常が起こった可能性が高い場合は、見守り業者のスタッフが確認に行く

3. 居場所を把握できる

 

つまり、毎日健康に暮らしているかどうかを第三者に送ることができます。

親しい友人がいたり、家族が遠くに住んでいてすぐには駆けつけられないけれど仲が良かったりする場合は、利用してみると便利です。

 

アプリには複数の種類がありますが、特に有名なのは次の3つです

スマホの見守りアプリ

NTTドコモ つながりホットサポート:NTTが運営しているので安心して利用できます。スマホの利用状況を登録したアドレスに送ってくれるので、スマホを使わない場合はすぐにわかる。

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LINEエンリッチ見守りサービス:LINEを利用する安否確認サービスです。設定した頻度で安否確認通知が送信されるので、安否確認ボタンのOKをおすだけで、自分の状態を登録者に知らすことができます。安否確認のOKボタンを押せないとまずは自分宛に電話がかかってきて、それを取らないと登録者に連絡が行く仕組みです。LINEは20代、30代のほとんどの方が利用しているサービスなので使いやすいでしょう。基本料金は無料です。

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孤独死防止アプリ「リンクプラス」:20代、30代の若年者の孤独死を防止する為に開発されたアプリです。多くの孤独死防止アプリが自分の行動を連絡先に設定したアドレスに知らせる仕組みなのに対し、このアプリは異変が起きたら自分で助けを求めるために開発されました。送信先を特定し、決められた時間にスマホをタップしなければ登録した先に助けを求めるメッセージが送付されます。何も無ければ自分の情報が第三者に漏れることはありません。ですから、普段の行動は知られたくないという人におすすめです。

 

このようなアプリを1つ入れておけば、いざというときにも安心です。早期発見に繫がるでしょう。

ただし、頼る人が誰もおらず緊急連絡先に指定できる人がいない場合は使えないのがデメリットです。

 

スマートウォッチを利用したヘルスケアサービス

Applewatchをはじめとするスマートウォッチの中には、自身の心拍数や脈拍、血圧などを記録し、異常があれば早めに知らせてくれるヘルスケアサービスを搭載しているものがあります。

一例を挙げると、Applewatchでは、Series 4、5、6から心拍数を記録し、不整脈の兆候などがあればユーザーに通知が行くサービスが利用できるようになりました。

 

心房細動や心筋梗塞など死に直結する心臓の病気は発症直前まで自覚症状が全くないこともあります。

異常を知らせてもらった時点で病院に行けば、孤独死を防げる可能性が高まります

 

企業の見守りサービス

企業の見守りサービスとは、民間企業と契約して何か異変がおきたときにスタッフが安否確認にやってくるサービスのことです。

高齢者向けの見守りサービスはすでに民間警備会社のALSOKやセコムが実施しています。

月々千円台で利用でき、特定の動作をしないと警備会社のスタッフが駆けつける仕組みです。

これならば、スマートフォンの操作に慣れていない人でも使えます。

 

また、東京ガスや大阪ガスといった生活に密着しているライフラインに関わる会社も見守りサービスを実施しています。

ガスメーターや水道メーターの使用状況で契約者が元気に暮らしているかどうかを見守ってくれるので、プライバシーが侵害される恐れもありません。

 

若年者向けとしては、電灯を利用した見守りサービスがあります。

賃貸物件の大家さんや管理会社が加入しており、一定期間部屋の電灯が操作されないと契約している会社からスタッフが様子を見に来ます

このようなサービスに加入しているマンションやアパートは今後増えていく可能性があります。

これならば、誰も頼る人がいない方でも安心して利用ができるでしょう。

費用はかかりますが、孤独死するよりはずっと経済的です。

 

見守り家電

見守り家電とは、特定の期間使われないと契約している人に連絡が行く機能を備えた家電で、ポット・ドアフォン・電灯などがあります。

前述したように、アパートの大家さんや管理会社などがアパートすべてに見守り家電を導入し、孤独死を防止しているところもあります。

 

見守り家電のメリットは、スマホのアプリより手軽に使え、プライバシーが第三者に伝わりにくいという点です。

その一方で、旅行など家電を使わない期間がある場合は、手続きが必要になります。

 

また、冷蔵庫を開けない、ポットを使わないといった人には効果がありません。

センサーが急に壊れたり誤作動をしたりする可能性もあるのがデメリットです。

さらに、緊急連絡先としていざというときに駆けつけてもらえる人を見つける必要もあります

 

まとめ

今回は、孤独死を防ぐ方法についていろいろと解説しました。

完璧に孤独死を防ぐには、誰か同居人を見つけ、定期的に様子を見てもらうことが一番です。

 

しかし、それが不可能な場合は、見守りサービスや見守り家電などを利用しましょう。

また、これから自治体の孤独死対策も進化していくと考えられます。

 

今は自治体の情報がホームページで確認できるので、定期的にチェックして見ると役立ちます。

家族と疎遠で友達もいないという人ほど、いざというときに頼れる場所を作っておくことや、自分が受けられる支援を調べておくことが重要です。

 

-独身の老後リスク対策

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